中古住宅のホームインスペクション(住宅診断)で見つかった指摘事例

現場で見つかった指摘と写真の事例

中古のホームインスペクションの指摘事例

アネストが行った中古住宅のホームインスペクション(住宅診断)で見つかった指摘事例について紹介いたします。
 

新築一戸建てについては、「新築住宅のホームインスペクション(住宅診断)で見つかった指摘事例」をご覧ください。

今回は、中古一戸建て住宅のホームインスペクション(住宅診断)で見つかった指摘事例を紹介します。中古住宅は、購入前のご利用が多いですが、購入後・入居前に利用する方や居住している自宅の診断を行う方もいます。

外壁の配管貫通部の隙間

外壁の配管貫通部の隙間

外壁には配管等が貫通している箇所がいくつもあるものです。その貫通箇所からの雨漏り事故は非常に多く、注意してチェックすべきポイントです。

グレーの排水管が外壁を貫通している箇所の周期のシーリングの劣化が進んでおり、雨水の浸水リスクがありました。

サッシ周りのシーリングの割れ

サッシ周りのシーリングの割れ

サッシも実は配管と同じで外壁を貫通している箇所です。貫通箇所の周囲はとにかく危険なので要注意です。

この写真では、サッシ周りのシーリングが割れているのがわかりますか?劣化が著しく進んでおり、このままでは雨漏りする可能性があるので早期の補修が必要です。

外壁サイディングの継ぎ目の割れ

外壁サイディングの継ぎ目の割れ

この写真では、外壁材の継ぎ目の目地の部分が劣化して裂けてきている様子がわかります。これも雨漏りするリスクがあるので、早めに補修すべき状況です。

床下の基礎のひび割れ

床下の基礎のひび割れ

床下で基礎コンクリートに大きなひび割れがある様子です。クラックスケールで基礎の巾を計測するなどして状況を把握するのですが、構造クラック(構造的に問題あるひび割れ)と判断されました。基礎のひび割れは、建物外部で確認されることも多いですが、できれば床下側でも確認しておきたいものです(床下の方が重大な問題であることが多いため)。

基礎コンクリートの破壊

基礎コンクリートの破壊

写真の右奥で基礎が破壊されている箇所があります。後からリフォームするときなどに、無理に配管工事を使用として基礎を破壊しているケースが見つかることは意外と多いです。

その破壊箇所や破壊状況によっては、非常に大きな構造的な問題となっていることもあり、驚かされます。

基礎立上りの構造クラック

基礎立上りの構造クラック

建物外部の基礎立上りにひび割れが見つかった箇所について、床下へ潜って確認してみると同じ個所が割れていました。この場合、基礎を貫通した構造クラックの可能性が考えられ、構造的に心配される症状です。

床下の漏水

床下の漏水

写真の奥の方に地面の色が濃くなっているところがありますが、ここに水溜りがありました。つまり、床下漏水です。床下へ潜ってみると、それまでの居住者も長年気付いていなかった漏水が発見されることがあります。湿度があがり、カビや木部の腐食を引き起こしていることもあります。

配管からの漏水

配管からの漏水

床下から床材の裏側(下側)を映した写真です。根太という材料や床材が水濡れしている様子がわかりますが、これは真上にあるキッチンの配管からの漏水でした。漏水量や発見時期によっては、根太や床材が腐ってしまっていることもあります。

床下のゴミ・残材

床下のゴミ・残材

床下にゴミが散乱している様子です。この写真は中古住宅のホームインスペクション(住宅診断)のときのものですが、実は新築住宅でもよく見られる光景です。床下ならわからないだろうと思ったのか、ゴミを片付けずに放置している住宅は多いです。

放置されたものによっては、シロアリ被害につながりやすいので、注意したいポイントです。

配管の勾配不足

配管の勾配不足

床下で配管の勾配を計測している様子です。配管は水平になっているべきだと誤解しがちですが、水が流れていくように適切な勾配が必要です。勾配不足により、排水不良を起こしている住宅は多いです。

住宅によっては、勾配が逆方向になっていて、排水に問題が起こしているケースもあります。後に漏水につながることもあるので、早期の対応が必要です。

床下の断熱材

床下の断熱材

これは床下の断熱材が落ちてしまっている様子です。床下点検口から覗いたところに問題がなくても、奥まで潜っていくとこういう状況を見つけることはよくあります。本来の断熱性能を発揮できていないので、補修が必要です。

ボルトの緩み

ボルトの緩み

屋根裏では大事な構造金物を確認することができますが、火打ち梁(構造材)という部材の接合ボルトが著しく緩んでおり、構造的に問題がある状況でした。屋根裏の全ての金物(ボルトを含む)を確認できるわけではないですが、確認できた範囲で複数の異常が見つかれば、他にも同様の可能性があると考えて対応を検討した方がよいです。

屋根裏の雨漏り

屋根裏の雨漏り

屋根裏の内部の様子の写真ですが、野地板(屋根材の床下側)に雨漏りの可能性が高い漏水跡がありました。濃い色に変色しているのでわかりやすい状況です。広範囲の雨漏りですが、屋根材やルーフィング(屋根の防水シート)の交換を含めた対応の検討が必要です。

屋根裏の漏水跡

屋根裏の漏水跡

こちらも屋根裏の野地板(屋根材の床下側)に雨漏りの可能性が高い漏水跡が広範囲に見つかりました。前の写真とは漏水跡の様子が違って見えますが、こういた跡も多いです。こちらも広範囲の被害なので、補修範囲も広くなります。

バルコニー床面のひび割れ

バルコニー床面のひび割れ

バルコニーはよく雨漏りの原因箇所になるので注意して見ておくべき箇所です。確認すべきポイントは多いですが、この写真はバルコニー床面の防水保護コンクリートに著しいひび割れがある様子です。ここから浸水した雨水が将来的に雨漏りとなるリスクがある症状なので、早期に補修が必要です。

この写真の状況では、早めに床面全てを補修した方がよい状況です。

天井の漏水跡(水染み)

天井の漏水跡(水染み)

室内の調査で雨漏りを確認することが多いのは、天井・壁・窓周りです。この写真は、天井の漏水跡を映したものです。天井の広範囲に水染みがあり、雨漏りまたは著しい結露の可能性があると考えられます。屋根裏の調査でこの箇所付近を確認できる場合は、雨漏りかどうか判断しやすくなりますが、そうでない場合は雨漏りか結露か判断できないことも多いです。

出窓周りの水染み

出窓周りの水染み

出窓のカウンター部分の写真です。出窓は構造的に複雑になっていて雨仕舞いがやや難しいため、雨漏りすることが多い箇所です。この写真でも漏水跡が確認できます。但し、窓周りは結露による染みができることも多いため、単純に雨漏りだと決めつけない方がよいことも多いです。

床の傾き

床の傾き

室内の床の傾斜測定の様子です。写真で計測結果までわかりませんが、著しい傾きがありました。

壁の傾き

壁の傾き

レーザー光を用いて壁の傾斜を計測している様子です。写真では傾斜角度までわかりませんが、6/1000近い傾きが計測され、注意を要する状況でした。前の写真のような床の傾斜測定やその他の関連症状(壁・天井のひび割れなど)との関係性を考えて判断しなければなりません。

以上が、よくある指摘事項の一例です。できれば、中古住宅の購入前に実施することを推奨しますが、購入後の方も早めの診断を検討しましょう。

第三者のホームインスペクション(住宅診断)

ここまで、愛知県の中古一戸建て住宅で行ってきたホームインスペクション(住宅診断)でのよくある指摘事例の一部を紹介してきましたが、いかがでしょうか。

中古住宅では、様々な箇所で想定外の著しい劣化や欠陥が見つかることがあり、調査結果を見た依頼者が驚くことは少なくありません。こういった調査結果・指摘事例を見ていくと、やはり契約前に依頼することの重要性がよくわかります。

できれば、売買契約の前に、買主が選んだ第三者のホームインスペクション(住宅診断)で確認しておくとよいでしょう。

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